色々

   
色々


 六歳の時はピンクが好きだった。十歳の時は水色で、十二歳になったら紺色を好きになった。十六歳では赤に憧れて、十七で白に帰った。
 今は、十八歳の今は。
 どの色でも好き。でも、一番を決められない。
「向上心の目隠しで、感情が曖昧なんです」
 私は今、どうしたらいいのだろう。どうしたら今一番、自分に都合がいいだろうか。そう考えながらも、卑怯だな、と知っていながらも、自己愛だけはどこかに留めておきたい。
 私、十八歳。
「思春期?もうとっくに終えてます」
 どれも好き。だからどうでもいい。
 いっそ誰かに選んでもらおうか、なんて。情けのない話。
「なんだか色々考えていたら、目の前が真っ黒になってたんです」












*これは短編小説同盟様の企画に参加した作品です。

あとがき
生き方を色に例えるとしたら、思春期は黒だと思ったので。
多くの色に憧れたり、悩んだりするから、色を混ぜすぎたせいで虹色にはとどまらず真っ黒になってしまうのではないかと発想しました。


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